コーヒー豆は大きいほど良い豆であると言われます。しかし、世の中に出回っているコーヒー関連の書籍を読んでみても豆の大きさがどれほどコーヒーの味へと影響するのかは書いておりません。そこで今回は、コーヒー豆の大きさがどのくらいコーヒーの味へと影響するかを実際に検証してみました。
仮説(予想)
コーヒー豆とはコーヒーチェリーの種です。
このため、コーヒー豆(コーヒーチェリーの種)が大きいという事はそれだけコーヒーチェリーへと栄養が行き渡っていた証拠。
地域によってはコーヒー豆の大きさ(スクリーニング)が大きい程良い豆であるとも言われており、大きな豆程、美味しいコーヒーが入ると予想しました。
コーヒー豆については過去の記事でも紹介しておりますので、興味のある方は下記の記事も確認してみてくださいね。
実験方法
実験は以下の手順で行いました。
- 豆30gを量り取る
- 30gの豆を粒の大きな15gと粒の小さな15gに分ける。
- 大きな粒および小さな粒をそれぞれ下記の条件でコーヒーを入れる
※ドリップ条件はハリオV60(02)ドリッパー、豆15g、湯温87度、蒸らし30秒、湯量150cc - pH、TDS、味を確認してコーヒーを評価する。
※pH(ペーハー)は酸っぱさを表す指標になります。
※TDS(総溶解固形物)は抽出液の濃度を表す指標になります。
豆は料理用のクッキングスケールで量り取りました。
目で確認しながらコーヒー豆を大きな粒のグループと小さなグループのグループに分けました。
今回は、豆の大きさによる影響をなるべく正確に確認するために、選別中に見つかった欠けている豆や、明らかに歪な形をしていた豆は取り除き、代わりに整った豆に入れ替えました。
下記の写真が選別後の豆の様子です。
(目で見てわかる程度には別れているかと思います。)
あとはそれぞれをドリップした後にpH、TDSを測定し、味を確認して完了です。
ドリップ等による味のバラツキも考慮し、実験は2回行いました。
実験結果
下記に検証データ(pH、TDS)を表にしたものを添付します。
Big、Smallはそれぞれ大きい粒で入れたコーヒー、小さい粒で入れたコーヒーを表しています。
実験を2回行ったのでそれぞれデータが2回分あります。
pH、TDSの結果としては豆の大きさにより、大きく変化はしませんでした。
(つまり、pH、TDS上はほとんど同じようなコーヒーになっているように見える。)
実際に味を比べてみても、Big、Small共にほぼ同じ味となっており、違いはありませんでした。
(少なくとも私の味覚では違いはありませんでした。)
結論
結論としては「豆の大きさがコーヒーの味へと大きく影響するような事は無い」です。
なんとも面白みの無い結果とはなりましたが、実際にはこんなものなんでしょう。
ただし、一点追記しておきますと、豆を粒の大きさで選別している際に気付いたのですが、粒の大きな豆ほど豆の形が整っていたように思います。
(粒が小さいほど、奇形の豆が多かった。)
このため、豆の大きさが大きい程グレードが良いと言うのは、実際には豆が大きいから美味しくなるわけではなく、歪な形をした豆を取り除くことでコーヒーの味を安定させているのではないかと思いました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は豆の大きさがコーヒーの味へとどのように影響するのかを確認しました。
今の世の中にはコーヒーの本が数多く出回っておりますが、こうして実験を重ねるとまだまだ私達の知らないコーヒーの世界が広がっている事がわかります。
今後もこのような実験を続けてコーヒーのまだ見ぬ世界を深堀りしていきたいと思っております。
皆さんがお宅でコーヒーを楽しむ際のコーヒーのお供にこのブログの豆知識を楽しんで頂ければ幸いです。
それではまた。
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