コーヒーは自宅で栽培できるの?

コーヒー知識

自宅でコーヒーは栽培できるのか?コーヒーが好きで好きでたまらないんだ。コーヒーをこだわってみたいんだ。と思ったことのある人なら一度は考えた事があるかもしれません。
本記事ではそんなあなたの疑問、「自宅でコーヒーは栽培できるのか?」について、コーヒーを収穫することを前提としてお答えします。

結論

結論としては、非常に難しいです。
いきなり希望を打ち砕いてしまい申し訳ありませんが、残念ながらこれが現実です。

でも、「何で?」と思われる方もいるかと思います。このため、以下では自宅でのコーヒー栽培が難しい理由について解説していきたいと思います。

コーヒーノキの栽培が難しい理由

主な原因としては以下が挙げられますが、それぞれの詳細な理由について一つ一つ詳しく見ていきましょう。

  1. 環境管理が難しい
  2. 収穫に時間がかかる
  3. 精製・選別段階で欠点豆として多くの豆が失われる

 
1. 環境管理が難しい

まずコーヒーノキがどのような植物かというと「アカネ科のコーヒーノキ属(コフィア属)に属する常緑樹」です。と言ってもいまいちピント来ないと思いますが、これは「コーヒーノキという種類の1年中緑色の葉っぱを付ける植物です。」ということです。

ここまで聞くと、何だ1年中枯れないのなら育てるのも楽そうじゃないか?と思うかもしれません。

ところが、この常緑樹であるコーヒーノキは非常にデリケートな部分を持ち合わせています。
コーヒーノキは通常熱帯・亜熱帯地域に生息しますが、美味しいコーヒーへと育てるためには以下の環境条件が必要となります。

  • ・適度な気温(20度前後)
  • ・昼夜の適度な気温差
  • ・適度な雨量(年間雨量が平均1500mm以上)
  • ・水はけがよく肥沃な土壌
  • ・適度な日当たり(直射日光はNG)

非常にわがままな植物であることがわかります。

特に、熱帯・亜熱帯地域にいながら気温は20度前後を好み、さらに昼夜の適度な気温差が必要というのは非常に難しいことだと思います。実際に、コーヒーの栽培は熱帯・亜熱帯地域の標高の高い地域(例えばブルーマウンテンやキリマンジャロ)で栽培されることが多く、これは上記の条件を満たしているためです。

このため、まず環境面において自宅でコーヒーノキを栽培することは非常に難しいのです。
 

2. 収穫に時間がかか

では、仮に頑張って環境をコントロールしたとしましょう。次にやらなければならないのは収穫です。

が、しかし、問題は収穫そのものではありません。

問題なのは収穫できるほどのコーヒーノキに成長させるまでの期間です。通常、コーヒーノキが実がなるほどの大きさに成長するためには3〜5年かかると言われております。つまり、いつ実がなるかもわからないコーヒーノキを3〜5年間地道に育てなければならないのです。

これがどれだけ大変なことなのかは容易に想像できますね。

ちなみに、以前に別の記事でも取り上げております、沖縄のセラードコーヒーさんでは8年もの歳月をかけてコーヒーを完成させたとのことです。

プロが8年もかけてようやく完成させたものを、自宅で行うのは限りなく不可能に近いことかと思います。
 

3. 精製・選別段階で欠点豆として多くの豆が失われる

こうして細かな環境管理を数年間に渡り実施したあとに待っているのが、コーヒーチェリーの精製・選別です。

ここでは、その精製・選別の過程で未熟な豆や虫食いの豆(いわゆる欠点豆)が取り除かれます。これまで苦労して育ててきた豆が、このような形で目減りしてしまいます。

また、これは蛇足にはなりますが、一般に市場に出回っているコーヒー豆は生産者や輸入業者によって、「グレーディング」というものが実施されております。これは、コーヒー豆を出来栄えごとに選別しており、国によっては一定水準を満たした豆だけを輸出していることもあります。

このように、通常コーヒーチェリーの出来栄えは非常にばらつきがあり、1杯分のコーヒー豆でさえ収穫することは非常に大変であることがわかります。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?これまでコーヒーの栽培・収穫の難しさを説明してきましたが、コーヒーの自家栽培が非常に困難である理由「何で?」をおわかり頂けたかと思います。

一方で、こうしてその「何で?」を理解してみると、コーヒーの生産者たちがどれだけ苦労してコーヒー豆を作り上げているかがわかります。

今後、あなたもコーヒーを飲む機会があった際には、この生産者たちの苦労(ドラマ)を想像しながらコーヒーを味わってみてください。

きっと、今までにはなかったコーヒーの奥深さ、味わいを噛みしめる事ができるのではないでしょうか?

私もそのようなドラマに思いを馳せながら今夜のコーヒーをゆっくりと味わいたいと思います。

それでは、また。

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